ペットクリニック情報
犬の耳鼻口に関するよくある病気
耳・口・鼻は、日頃のグルーミングでチェックしやすい部分です。飼い主さんが定期的にケアしてあげることで防げる病気が多いので、ワンちゃんとのコミュニケーションを兼ねてていねいに観察してあげましょう。
耳のお掃除で病気をチェック

耳のお掃除を定期的に行ない、外耳を清潔に保っていれば、耳の病気予防につながります。耳掃除はカット綿に洗浄液を含ませて、耳の穴の中を拭いてあげるだけ。動物病院で耳の洗浄液を購入し、掃除のコツを教えてもらいましょう。特にたれ耳のワンちゃんには、飼い主さん自身が少なくとも週1回程度はやってあげたいですね。
よくある耳の病気
耳からムレたような匂いがしたら、病気のサインです。ワンちゃんによくある耳の病気には、次のようなものがあります。
- 耳だれ
- 耳アカを放っておくと炎症を起こして耳だれになってしまいます。
- 耳ダニ症
- 耳に寄生したダニが原因です。耳掃除をすると、中から褐色のツブツブが出てきます。
- 肥厚性外耳炎
- 慢性皮膚炎やノミアレルギーなどが原因で耳の皮膚が厚くなり、耳の穴がふさがってしまう病気です。ひどい場合には手術が必要です。
- 耳血腫
- 耳翼と軟骨の間の皮膚の毛細血管が破れ血腫ができる病気です。そのままにしておいても治まることはありますが、何度も再発する可能性の高い病気です。それを繰り返していると耳の形が変わってしまうこともあるので、早めに治療しておきましょう。
お口のケアも忘れずに

病気というわけではありませんが、ワンちゃんのお口のトラブルで最も多いのは歯石です。この歯石についても日々のグルーミングの一環として取り除いてあげましょう。
- 歯石
- 歯石がたまると、歯肉炎や歯槽膿漏の引き金になってしまいます。日々の歯石ケアと同時に、ある程度固い物を食べさせることが歯石予防につながります。それでも、歯石が目立ってきたら、動物病院で取り除いてもらいましょう。
- 舌炎・口内炎
- 人間の舌炎や口内炎と同様に、ワンちゃんにとっても口内の炎症はかなり痛いようで、食欲が落ちてなにも食べなくなってしまうこともあります。栄養不足や外傷、細菌の感染など、原因は様々考えられますが、見落としがちなのは火傷です。ワンちゃんはアツアツのものをおいしいと感じるわけではないので、手作り食を与える時には注意して下さい。
鼻の異常は危険信号

ワンちゃんにとって嗅覚はとても重要な感覚です。目や耳などが異状をきたしても食事を摂ることができますが、嗅覚が利かなくなると食事をしなくなってしまいます。それほど大切な感覚器である鼻を守ってあげるためにも、鼻の健康チェックを忘れずに続けましょう。
- 鼻炎
- 鼻水を放っておくと慢性化してしまいます。かかってしまったら抗生物質で食い止めますが、ウイルス感染による鼻炎は定期的にワクチン接種をしておけば予防できます。
- 蓄膿症
- 体質や細菌などの影響によって、鼻腔に膿がたまることがあります。手術や化学療法などで治療をします。
- 鼻血
- ワンちゃんが鼻血を出すことはあまりありませんが、もし鼻血を出していたら他の症状をチェックし、一刻も早く動物病院へ連れていきましょう。脳や呼吸器など重い病気を疑ってみる必要があるかも知れません。また、人間がするようにティッシュを鼻の穴に詰めてはいけません。鼻腔内の粘膜を傷つける恐れがあります。
- 犬ジステンパー
生後1年未満の子犬が鼻水やくしゃみと同時に咳をしていたら、「犬のハシカ」とも呼ばれているこの病気を疑いましょう。命にかかわる非常に恐い病気ですが、ワクチン接種をきちんとしているワンちゃんがかかることはほとんどありません。